恐怖!?「陰の寄り付き坊主」

草木も眠る丑三つ時。人も獣(けもの)も寄り付かない古寺に、月明かりが作るぼんやりとした陰があった。夜遊びが過ぎ、屋根のある寝ぐらを求めてこの古寺へたどり着いた男は、その陰のまた陰に、なにやらもぞもぞと動く気配を感じた。

「ははあん、これが噂に聞く“陰の寄り付き坊主”というヤツか。いっちょう捕まえて江戸じゅうにさらしてやろう。やい坊主、こっちを向きやがれ」

「何の用だ!ケケケケケ!」「ギャアアア!」

振り向きざまに襲いかかってきた坊主の顔は、恐ろしいことに…

陰線の種類を表す言葉!

陰の寄り付き坊主、その正体

「陰の寄り付き坊主(いんのよりつきぼうず)」…株式相場に関するニュースで初めてこの言葉を知った時、筆者は上のような怪談を連想してしまいました。

「陰」「寄り付き」「坊主」という風に分解してみるとなんとなくイメージが見えてくるかも知れませんが、まだちょっと怖いですね。というわけで早速「陰の寄り付き坊主の正体」を暴いてしまいましょう。こちらです。

陰の寄り付き坊主

陰の寄り付き坊主とはこのような状態のローソク足を指します。

「陰」は、ローソクの実体が塗りつぶされていることからわかるように「陰線」のこと。つまり株価が下がった状態を表しています。さらにそれが「寄り付き」ですから「その日の始値がついた後、値が下がった」ことになります。

ただでさえ「陰」が暗いのに、「寄り付き」という言葉がまるで「逃げても逃げてもついてくる」ようで不気味ですね(笑)。そして、さらに妖しさを増しているのが「坊主」の存在です。

この場合の「坊主」とはローソク足を見るとわかるように「上ヒゲ」がないこと。上ヒゲがないということは「始値がついてから一度も始値を超えることなく下がった」ということですから、株価の動きとしては思わしくありません。言葉から受けるイメージ通り、あまり縁起のいいものではないですね。

しかし、陰の寄り付き坊主にもわずかに望みがあります。それは「下ヒゲがあること」。下ヒゲがあるということは「一度ここまで値を下げたあと、上がって終値に至った」ということになりますから、このヒゲが値であって、このあと上がっていくかもしれないという期待が持てるわけです。

丸坊主こそ不気味?

坊主の種類は「寄り付き」だけではありません。たとえば「陰の丸坊主」というのがこちらです。

陰の丸坊主

ごらんのとおり「丸坊主」とは「上ヒゲも下ヒゲもない」状態。つまりそのローソク足が表す時間の中では「始値より高い値は一度もつかず」、さらに「一番安い値で終わった」ことになります。

このように上にも下にもヒゲがないということは「投資家たちの評価がブレずに一致した」という見方ができます。と言っても陰線ですから「この先も下げが優勢」という、やはり喜ばしくない状況です。

ドン引き?陰の大引け坊主

冒頭でご紹介した「陰の寄り付き坊主」の対の存在とも言えるのが「陰の大引け坊主」。こちらです。

陰の大引け坊主

陰の大引け坊主は「下ヒゲがなく上ヒゲだけがある陰線」のローソク足。「大引け」ですからその日の取引の最後がこうだったわけです。

始値がついたあといったん上がったのに勢いは続かず下落。そして下ヒゲがないということは「一番安い値で大引けとなった」状態です。やはりこれも「下げの勢いが強い」ことを示しています。

言葉としては寄り付き坊主が不気味ですが、さきほども書いたようにその日の取引が始まったばかりですから、たとえ陰線であっても「これから盛り返すかも」という希望があります。

しかし「陰の大引け坊主」だったらその日の取引はそれで終わり。大引けだけに気分は「ドン引き」です。

今回は陰線にまつわる坊主だけをご紹介しましたが、もちろん「陽」の寄り付き坊主・丸坊主・大引け坊主も存在します。各坊主の正体を知ったいま、陽の坊主が並ぶ状態を期待したいですね!

本文で使用された株用語

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